前回、断絶がもたらす逆境について述べた中で、『思考は現実化する』の次の言葉を紹介しました。
- どんな逆境にも、同じ量かそれ以上の利益の種子が含まれている
同時に次の様にも述べています。
- 貧しい家に生まれた子どもは、じつは莫大な遺産を譲り受けている
この後者の状況に最もよく当てはまる身近な例は、ミュージシャンの矢沢永吉でしょう。
矢沢永吉が28歳の時発表した、『矢沢永吉激論集 成りあがり』(以下、『成りあがり』とする)には、子供の頃の恵まれない屈辱的な生活から、やがてスーパースターとなっていくストーリーが描かれています。
“成功”を目指す者たちのバイブルとしてベストセラーにもなりました。夢を体現した男の物語です。
矢沢は1972年に23歳でデビューして、2017年2月現在67歳である。一般の職業に就いていた同世代の人々はすでに定年退職している年齢です。
デビューして40年目の62歳の時には、日産スタジアムに6万人以上の観客を集めてライブを実現しています。
現在もなおアーチストとしての活動している他、ニッサンやサントリーのCMに登場したり、“引退”は現時点ではまったく想像することすらできない活躍ぶりです。
逆境から這い上がった、絵に描いたような成功者です。
「これはオレの歌だ! オレはこうしてBIGになった だれもがBIGになれるはずだ。」・・・『成りあがり』は“BIGへの道”の矢沢のメッセージソングと言えます。
『成りあがり』で明らかにされた矢沢永吉の生き様のパワーは、断絶がもたらす逆境が進行しつつある今日の社会を生き抜く上で、大いに参考になりそうです。
今こそ、『成りあがり』精神を見直す時かもしれません。
『矢沢永吉激論集 成りあがり』 矢沢永吉(著)
『思考は現実化する』 ナポレオン・ヒル(著)