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製品開発に奮闘する中小企業

NHK朝のラジオ番組(2017-3-30)で『製品開発に奮闘する中小企業』という題で、嘉悦大学教授黒瀬直宏氏のお話がありました。

そこで、中小企業2社の商品開発の事例を紹介したあと、次のように結んでいます。

▼ 市場は縮小傾向だが、潜在需要は確実にある。アップルのスティーブ・ジョブズが「多くの場合、人は形にして見せてもらうまで自分は何が欲しいのかわからないものだ」と言ったように、形にして市場に問う姿勢が大事である。

東芝の例でも分かるように、日本を代表する大手企業でも存続の危機に直面しないとも限らないのが企業経営です。親会社に依存した下請け型企業を続けていては、先々不安になるのは当然です。自立した企業になるには、やはり自社独自の製品やサービスを提供できる企業を目指すしかありません。

    • しかし、どの様なアプローチをして長年培ってきた独自技術やノウハウを形にしていったらよいのかが最も頭の痛いところです。

そこで、考えるキッカケとして、少し前まで日本が世界市場を席捲していた電機業界の歴史を振り返ってみたいと思います。

プロダクトアウトとマーケットイン

プロダクトアウト」は技術や製造設備を持つ提供側からの考えで商品開発・生産・販売など活動を行うことです。「マーケットイン」は買い手の立場に立って、買い手が必要とするものを提供していこうとすることです。

戦後間もない日本は製品が少なく、消費者の需要が満たされていない状態だったので、プロダクトアウトの製品開発で十分に会社は成長していくことができました。

白黒テレビ・洗濯機・冷蔵庫の家電3品目は「三種の神器」と言われ、一般庶民でも努力すれば手が届く夢の商品であり、新しい生活の象徴でもあったので、需要は急拡大していきました。

当初、テレビは高価であったため、テレビを購入した家庭にはプロレス中継など人気番組の時には近隣住民が集まってきて、皆でワイワイとテレビを観る光景がよく見られました。映画「ALWAYS三丁目の夕日」でこの頃の雰囲気が描かれています。

昭和31年の経済白書で、「もはや戦後ではない」と書いて戦後復興の終了を宣言してからは、輸出も急拡大して日本は高度経済成長を遂げていきます。

さらに、昭和30年代半ば頃からは、カラーテレビ ・クーラー・自動車 の3種類の耐久消費財が「新・三種の神器」として需要が盛り上がり始めました。これら3種類の耐久消費財の頭文字が総てCであることから、3Cとも呼ばれました。中でもカラーテレビは東京オリンピックをキッカケに普及し始めました。

続く目玉商品はビデオでした。松下電器(現パナソニック)とソニーのVHS対ベータの戦いも話題を呼びました。この日本勢同士の戦いをみても、この分野でいかに日本企業が世界をリードしていたかが分かります。

平成15年頃からは、家電のデジタル化が進み「デジタル三種の神器」と呼ばれた、デジタルカメラ・DVDレコーダー・薄型テレビが普及しました。

しかし、これらのデジタル家電の普及によって、高度なものづくり技術がなくとも顧客の満足する製品を生産できるようになり、電機産業の日本の競争力は急激に低下していきました。

価値観が多様化する近年は、良い製品を作れば業績は向上するという単純な図式ではなくなりました。

そして、「もっと顧客のことを知って、プロダクトアウトからマーケットインへと発想を転換が必要」という考えが強まってきました。

・・・次回のコラムに続きます。

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