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ネーミング:トヨタ燃料電池車「MIRAI」の意義は?

最近のネーミングで目を引いたのは、トヨタ自動車が発売した燃料電池車のネーミング「MIRAI」でした。「未来」という日本語を英字表記したものでした。

今までの国産車のネーミングは、英語その他のおしゃれっぽい外国語風のものがほとんどだったように思います。そのようなネーミングの方が、グローバルな市場を持つ日本車には向いていたのでしょう。

ネーミング全史』(岩永嘉弘著)では、この「MIRAI」のネーミングについて、次のようにコメントしています。

かつてのクルマのネーミングは英文字の記号にすぎなかった。そのクルマのコンセプトを表現するというよりも、英文字で「カッコよさ」を目指してきた。

その典型例がトヨタの「PRIUS」だ。1997年の発売当時、世界初のHVでエコな車だったのに、その特質も理念もネーミングに表出しなかった。それらはコピーでフォローし続けてきた。当時の広告を見ると「21世紀に間にあいました。」というキャッチフレーズで心意気を宣言していた。

その同じトヨタが、今回は「未来」という日本語をネーミングに据えた。この車の本質と意味をネーミングで宣言した。国産車のネーミング史上、画期的な「日本語ネーミング」なのである。

クルマだけでなく、最先端商品のネーミングは、たいてい外国語風の横文字が定番でした。例えば、薄型テレビのブランド名では、「AQUOS」「VIERA」「BRAVIA」「REGZA」・・・。

おしゃれの最先端の化粧品のネーミングも、かつては横文字で外国語っぽい字面や響きが主役で、日本の製品とも思えないネーミングがあふれていました。

ところが、トヨタの「MIRAI」に先駆け、女性市場の化粧品やファッション関係商品に、英字表記した日本語のネーミングが目立ち出しました。

「suisai」「HAKU」「TSUBAKI」[DAKARA]・・・など、英字表記した日本語のオンパレード状態になりました。

この原因について『ネーミング全史』では、次のように説明しています。

グローバル化が原因かとも思う。ネーミングが日本語であることが海外である種の信頼を確保しているのではないか。そういえば、中国で最近カタカナやひらがなのロゴが登場している、と聞いた。そんな風潮が逆輸入されて国内でも日本語が再認識され、新しい引力を持つようになったのかもしれない。

ネーミングの歴史を学べば、マーケティングや事業戦略についていろいろ考えさせられ、得るところが数多くあります。

『ネーミング全史』岩永嘉弘(著)

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