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ネーミング:最短、最小字画の商品名~一(はじめ)

最短、最小字画のネーミングと思われるのが、日本コカ・コーラの緑茶飲料「」です。読み方は「はじめ」。

飲み物に一文字のネーミングは、けっこう多くあります。酒類には一文字はおなじみで、日本酒では「月」「呑」「雅」・・・など。ウィスキーでは「響」「鶴」。

しかし、一画のネーミング「一」にはビックリです。単純すぎるほどの商品名ですが、逆に目立つ感じです。

お茶は家で日常的に飲んでいるし、店でも無料で出してくれるイメージが強いから、お茶の商品など 売れないだろうと思われていたのが、今では何種類くらいのお茶が商品として市場に出ているのか分からないほど、次々と新種が登場してきました。

日本茶だけでなく烏龍茶も出てきて、従来の紅茶やコーヒーなどとの競合もあり、飲み物類は過激な競争でしのぎを削るジャンルとなっています。

『ネーミング全史』(岩永嘉弘著)では、このように競争の激化している飲み物の市場で、日本コカ・コーラの緑茶飲料が「一(はじめ)」とネーミングされた背景を、次のように考察しています。

缶入りのお茶の第一号は、たしか「お~いお茶」だったという記憶がある。当たり前のことだが、お茶の数だけネーミングが生まれる。まさにネーミング戦争の様相を呈してくる。他との違いを様々に表出して、かしましく戦ってきた。

最初に出た「お~いお茶」が衝撃的だっただけに、あとに続くネーミングたちは、いろいろと工夫を重ねてきたのだ。

我こそは美味である。いや我こそは体によい。こちらは摘みたての葉だ。一番茶だ。煎り方が違う。いやいや当方は葉を10数種も入れた・・・といった具合に、様々に訴求するネーミングが出そろった。

ついに、訴求することがなくなったのかもしれない。日本コカ・コーラの「一」である。

初心に返る、お茶の原点を見直す、というコンセプトなのだろう。一番茶、あるいは一番摘みのイメージを込めたのかもしれない。だから「はじめ」と読ませている。当て字ならぬ「当て読み」だろう。

これは一画のネーミング。僕の知る限り、最短、最簡、最単のネーミングだ。とにかく、目立つ。激戦のマーケティングを突き抜けたネーミングである。

上記のような、過激な競争でしのぎを削るジャンルの一つである飲み物のネーミングの変遷とその背景を学んでも、商品開発、市場開拓など経営戦略上の重要なヒントを得られる可能性が高まります。

身近な商品から経営上の種々の考察をすることも重要です。

『ネーミング全史』岩永嘉弘(著)

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