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企業の二つの基本機能:ビジネスの基本と原則

「企業の目的は、顧客の創造である。したがって、企業は二つの、そして二つだけの基本的な機能を持つ。それがマーケティングイノベーションである。マーケティングとイノベーションだけが成果をもたらす」(P.F.ドラッカー)

ドラッカーは、企業が成長するのは、イノベーションとマーケティングによるとしています。イノベーションとマーケティングが新しい市場生み出すことでき、したがって顧客をつくり出すことができるからです。

ドラッカーはマーケティングについて、次のように説明しています。

マーケティング・・・顧客の要求からスタートする

 マーケティングが目指すものは、顧客を理解し、製品とサービスを顧客に合わせ、おのずから売れるようにすることである。したがって、マーケティングの理想は、販売を不要にすることである。

≫ 「われわれは何を売りたいか」ではなく、「顧客は何を買いたいか」を問う。

≫ 「われわれの製品やサービスにできることはこれである」ではなく、「顧客が価値ありとし、必要とし、求めている満足がこれである」という。

*セールス(販売活動)とマーケティングの違い

セールスは、「売り手(企業)の立場」で、つくったモノを売ることを考える活動です。しかし、お客が商品を知らなかったり、ライバル品より高価格だったりすれば良いモノでも売れません。したがって、販売する前にお客に買ってもらう仕組みをつくる活動が必要で、これをマーケティングといいます。マーケティングはセールスとは逆に「お客の立場」で買ってもらうことを考える活動です。

*マーケティングを最初に行った人

余談になりますが、ドラッカーは、マーケティングが必要なことに最初に気づいて実践した人は、農機具メーカーの創業者サイモン・マコーミックだと言います。
刈り取り機を「割賦販売」する方法を採用して「買ってもらう仕組み」をつくったため、それまで2~3年で元が取れると分っていても貧しくて銀行からカネを貸してもらえなかった農民が、新しい巨大な購買層になりました。
これが、「お客の立場」で買ってもらうことを考える活動、すなわちマーケティングの最初の実践例のようです。1850年といいますから、ペリーが浦賀に来た頃です。

また、イノベーションについては、次のように説明しています。

イノベーション・・・新しい満足を生み出す

イノベーションとは発明発見のことでもなく、技術を革新することでもなく、技術部門だけが行う活動でもない。新しい付加価値を生み出すために、すべての部門が取り組むべき根本的な活動である。ありとあらゆる活動をお客を満足させて儲ける活動に作り変えることをイノベーションというのである。

≫ 「起業家として成功する者は、単なる素材を資源に変える。あるいは新しいビジョンのもとに、既存の資源を組み合わせる」

≫「 既存の資源から得られる富の創出能力を増大させるのも、すべてイノベーションである」

*ヘンリー・フォードはイノベーターだったのか?

ヘンリー・フォードは自動車を発明したのでもなく、何一つ技術革新したわけでもありません。すでに存在していた自動車という商品の大量生産方式と大量販売のしくみを確立してコストを下げ、大幅な値下げを行ってお客を満足させて大衆車市場をつくりあげました。
このように新たに膨大な付加価値をつくり出すことを成し遂げたため、偉大なイノベーターとされています。

企業が成長するのは、イノベーションとマーケティングによる」・・・この原則を最も思い出させるのは、ソニーとホンダの成長の経緯です。

どちらの企業も、イノベーション(開発)とマーケティング(営業)の能力を持つ人間がコンビを組んで、大きく成長しました。
ソニーは井深大(開発)と盛田昭夫(営業)。ホンダは本田宗一郎(開発)と藤沢武夫(営業)でした。

参考:『マネジメント[エッセンシャル版]-基本と原則』 P.F.ドラッカー(著)

参考:『イノベーションと起業家精神』P.F.ドラッカー(著)

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