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小倉昌男著『経営学』で、多くのことを学びました。

小倉昌男さんは「クロネコヤマトの宅急便」の生みの親、ヤマト運輸の経営者でした。

本当の経営の教科書とも言われるこの名著『経営学』から、私はビジネスに関する多くのことを学びました。

松下幸之助さんが著作の多い経営者であった一方、小倉昌男さんはごくわずかの著作しか残していません。本当の意味での経営学に関する本は、これ一冊だけと言えるかもしれません。

『経営学』の“まえがき”で小倉さんは、この本を書くに至った理由を次のように語っています。

 振り返ってみると、経営者の頃に様々な決断をしたが、なぜそうしたかを社員に詳しく説明しないことが多かった。社長である自分がどうしてそう考えたか。いま、改めて話してみるのも意味があるのではないか・・・生涯に最初にして最後、一回限りの著作である。サクセスストーリーを書く気はない。乏しい頭で私はどう考えたか、それだけを正直に書くつもりである。

一回限りの著作”と述べているように、この本には経営学のエッセンスが凝縮されています。

小倉さんが、どの様に考えながら経営を進化させてきたのか?・・・「マネジメントとは、何にもまして、ものの考え方である(『チェンジリーダーの条件』P.F.ドラッカー著)

創業社長の後を継いでヤマト運輸の社長になった小倉さんは、父親が外部の変化に対応しなかったために大いに苦労しました。

第二次世界大戦前、ヤマト運輸は近距離路線で成功した日本一のトラック運送会社でした。さかし、戦後、産業復興に伴って成長した長距離路線の進出に出遅れ、一転苦境に陥りました。

過去の成功が災いするという典型的な例でした。

倒産の危機に直面した小倉社長は、ヤマト運輸を建て直すために各種セミナーで米国企業や製造業の経営、流通革命の動き、市場の見方などを学び、経営に必要な知識を吸収しました。

特にマーケティングについて注目し、牛丼の吉野家が牛丼一本に絞りこんで成長しているという記事を読んで、当時のトレンドだった「事業の多角化」について疑問を持ちました。

そして熟慮の末、ターゲットを商業貨物市場から個人宅配市場へと切り替え、多角化とは反対にたった一つのサービスに絞ることで、危機を乗り切ろうと考えます。

しかし、集配効率が悪いため、郵便局だけが独占する個人宅配市場にどう切り込むか?

全国規模の集配ネットワークを築けばよいという仮説を立て、視察に訪れたマンハッタンの街角で活躍するUPS(米国の小包宅配便会社)の集配車を見て成功を確信するに至りました。

ヤマト運輸が、どのような時代背景と考えでターゲットを商業貨物市場から個人宅配市場へと切り替えるに至ったのかは、AI,IoT,シェア経済などの進展で経営改革を迫られる今日のビジネス環境を考える上で大いに参考になります。

参考: 『経営学』 小倉昌男(著)

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