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「後継者未定」127万社~中小企業大廃業時代の足音

中小企業の廃業問題が深刻です。経営難での廃業ではありません。

廃業する会社のおよそ5割が実は経常黒字なのです。後継者難から会社をたたむケースが多いのです。

日本経済新聞(2017-10-6)がこの問題をトップ記事で取りあげています。

極細の「痛くない注射針」で、ものづくり業界では有名な岡野工業の岡野雅行会長(84)。あの岡野会長でさえ「あと2年くらいで会社をたたもうと思ってるんだ。俺の後がいねえから。娘2人も別の道に行ったし」といっているようです。

岡野工業のような、オンリーワン技術を持つ企業が次々と廃業する事態になれば、日本の産業界にとっては大きな打撃です。

経済産業省によると中小経営者で最も多い年齢層は2015年時点で65~69歳。平均引退年齢は70歳です。

2025年には6割以上の経営者が70歳を超えるが、現状で中小127万社で後継者不在の状態にあると経済産業省では分析しています。

そして、黒字廃業を放置すれば25年までの累計で約650万人の雇用と約22兆円に上る国内総生産(GDP)が失われる恐れがあるとみています。

このように、生産性が高い黒字企業の廃業は経済全体の衰退を招きかねません。

「大廃業時代」を防ぐ手立てはあるのか・・・?
政府も大廃業回避へ5年程度で集中的に対策を講じる計画ではいます。

例えば、岡野会長の言葉にみられるように、中小企業の場合、親族内や従業員など身近なところで後継者を見つけようとする傾向があるため、事業承継に外部人材の登用も考えてもらおうと、全国の商工会議所などに設けた「事業引き継ぎ支援センター」で専門家が経営者の相談に応じています。

しかし、現状では「後継未定」127万社 という数からすれば、その効果は焼け石の状況のようです。

また、中小企業に関心を持つ多くの投資家らがアプローチできる小規模M&A市場を整えるべきだとの声も多いようです。

「M&A市場の整備が進めば、アジアの投資家も日本の中小企業に関心を持ちやすくなる。未曽有の廃業危機と産業の衰退を避けるには、海外の力を借りるのも選択肢だ」という考えです。

上記のように外部からの支援も必要ですが、中小企業側も事業継承に魅力を感じる企業へ変身していくための行動が重要です。

現在、AIやIoT、ロボットに代表される第4次産業革命の進展等により、産業構造が転換期を迎えつつあります。

この転換期に対応して、ビジネスモデルの再構築や新事業展開による下請型企業からの脱却、事業改革による組織力の強化や企業風土の改善などでより魅力的な企業になるための挑戦が期待されます。

外部からの支援も積極的に活用して変化に挑戦し続け、自社の魅力を高めていくことが事業継承問題に関しての最良の対応策です。

中小企業の持つ優良技術を伝承するため、事業承継をスムーズに行える体制を早期に整えなければ、間違いなく日本の産業基盤は劣化してしまいます。

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