前回のコラムで、AI(人工知能)時代到来に備えるためには、個人としてどんな能力を磨くべきかについての情報を紹介しました。
今回は、AI時代到来におけるマネジメントのあり方について検討してみたいと思います。
AI時代に「勝つための要件」・・・それは、“AIを使い倒す人や組織である”ことは明白です。
AI時代のマネジメントはどの様なものになるのか?
これも、ヤフーCSO安宅和人氏の記事(週刊ダイヤモンド2017-3-4号)から抜粋させて頂くと、「AIとデータによるマネジメントの変化」は次の様になると述べています。
これまで | これから | |
①経営資源 | ヒト・モノ・カネ | ヒト・データ・キカイ |
②マネジメントの主要業務 | 実行を担保するための指示や実行管理 | 何を見るべきか見極め、問いを正しく投げ掛ける |
③注力対象 | 通常の意思決定 | 異常値対応 |
経営資源が「モノ・カネ」だった時代から、「データ・キカイ(主にコンピュータ)」の時代へシフトします。
AIにあらゆる条件や法則を学習せると、「識別」「予測」「実行」の自動化とか、異常値や矛盾する現象などを指摘させることが可能となります。しかも、人間と比べてとてつもなく早くできるという特徴があります。
しかし、AIには疑問を抱き、問いを発する能力はいまのところありません。
「何を見るべきか見極め、問いを正しく投げ掛ける」ということが、マネジメントの主要業務となり、この部分のレベルアップが重要な課題となります。
日本はこれから労働人口が減り、長時間労働の是正も急務となっています。また、日本企業は全般に生産性が低いと指摘されます。AIにできることは上手にAIに任せるようにすれば、仕事量を減らして、生産性を上げることができるようになるはずです。