前回のコラムでの「事業の定義」に関連するキーワードとして、「ブランド・アイデンティティ」という言葉が出てきました。
「ブランド・アイデンティティ」は、自社や自社の製品やサービスを、「顧客にどう思われたいか」を明確にし、自分たちの特徴をはっきりと打ち出した“ 旗を立てる ”ことによって成されると説明しました。
すなわち、「ブランド・アイデンティティ」とは、ブランドの特徴をひと言で表現し、旗のように誰からも見て分かるようにすることといえます。
「自社は何をする、どんな会社?」という質問に対する答えを突き詰めて「事業の定義」を行い、自社のオリジナル性をひと言で表現できるメッセージを練り上げる。
勢いのある企業は、「わが社はこれで勝負する!」というメッセージを顧客に向けて宣言しています。
マーケティングの世界ではこれをUSP「ユニーク・セリング・プロポジション(Unique Selling Proposition)」と言っています。
この“ 旗を立てる ”ことによって顧客にアピールすると同時に、経営ビジョンを社内で共有することができます。
例えば、企業はどんな旗印を掲げているか見てみると
ヤマト運輸 : 「お客様のわがまま支援します」「翌日配達」
最近、配達荷物量が過大になり自社のUSPを見直さざるを得なくなりましたが、ヤマト運輸の「翌日配達」がサービス上の最大の差別化メッセージでした。
ユニクロ : 「良質低価格」の他、新素材商品は「フリース」や「ヒートテック」などのUSPで差別化しました。
海外企業では、ドミノ・ピザの次のメッセージが有名ですね。
「焼きたてのアツアツのピザを30分以内にお届け。遅れたら代金はいただきません」
このように、「事業の定義」に当たっては、出来れば「わが社はこれで勝負する!」という、ライバルから際立たせる積極果敢で、思わず引き込まれるようなメッセージも確立したいものです。
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